愛しい人
あなたのコートのポケットが私のカイロになった、あなたの手に握られたまま。
逢坂 透
Xでわかちあう
木枯らしに前髪が揺れて、少し紅くなった君の頬の両側に、ツイードのコートの衿が立っている。そんな君の表情を正面から見つめることを許されている僕は最高にしあわせだ。
何がしあわせかって、君が腕の中にあって、大好きなその髪に鼻先を埋めても怒られないでいられることだよ。
あなたのくしゃくしゃの下手くそな笑顔が、その慣れていない感じがよかった。だからあなたを選んだの。